Quora、退会しました

半年から1年くらい前から暇でスマホをいじるときにみていたQuoraだが、この度退会しました。

理由は「Quoraがワイドショー化してきた」から。


もともとQuoraは実名と顔写真と経歴を晒したエキスパートが、その専門性を活かし、質問に対して高品質な回答をする、というのが売りだったはずだ。ところが最近は、ちょっと賢くて、狭い組織の中で成功しているような人たちが専門外のことにたくさん答えるため、ノイズ回答が増えてきた。そういう人たちは部下を持っていて、自分の言うことを丁寧に聞いてくれ真摯に受け止めてくれる人たちがたくさんいるので、Quoraみたいなところでも“賢い俺様が俺様の常識の範疇で答えてやるよ”ってな回答をするのだ。そんなのは求められていないのだが、QuoraはSNSでもあるので、そういう人たちで群れ合い、そういう回答でも良しとされる文化ができてしまっている。


この前もコロナウイルスのワクチンの安全性について、次のように回答している人がいた。

  • 統計によると日本では1日に平均約4,000人死亡する。
  • ワクチン接種は7月までで43.8%受けているので、ワクチンでの死亡が疑われる死者数が1日約1,600人を超えていないとおかしい。

この回答に高評価がそれなりについていて、賛同するようなコメントもついていた。でも、ワクチンの安全性をこんな嘘っぽい統計で議論するのはおかしい。

まず、4,000人という数字は1日平均。43.8%は人口に対して累計の数字なので、もう破綻している。また、ワクチンの安全性について知りたいのは死亡率が上がるか下がるかであって、接種者が(期間内に)100%死んでしまう仮定を置いている。これは流石に乱暴であろう。

そして、この比較ではこれではワクチンの“長期的な”安全性を議論できていないことに注意したい。例えば、喫煙が安全かどうか議論したいときに、1年前からたばこを吸い始めた人だけを対照に、その人達の死亡率と平均的な死亡率を比較しているようなものであると感じる。


で、この回答をした人は誰なのか。プロフィールを見てみると「占いで女の子対応12年のマインドセット・コンサルタント」の方であった。なんだこいつ、専門違いも甚だしいではないか。その辺の人間が、専門外のことについてテキトーに堂々と話すなんて、まるでワイドショーだ。いや、ワイドショーであればコメンテーターのコメントは明らかに感想であると分かるが、Quoraは感想なのか意見なのか質問に対する回答なのかぱっとは分からないので、ワイドショー以下なのかもしれない。


では専門家であればどのように回答するのか、少しGoogleで検索してみた。皮肉なことにGoogleで適切に検索したほうが、より高品質な回答が得られた。少なくとも「僕が考える最強の統計論」での議論は得られなかった。

  • コロナワクチンは事前に大規模な臨床試験を行っており、試験の結果、安全性と有効性が確認された。
  • ワクチンによる副作用は一般的に接種後6週間以内に発症すると言われている。

コメントを投稿

0 コメント