G検定 カンペ「AIの歴史・動向」編


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人物

  • アーサー・サミュエル
    • Arthur Lee Samuel
    • 機械学習の定義「明示的にプログラムしなくても学習する能力をコンピュータに与える研究分野」が有名。機械学習の父。
  • レイ・カーツワイル
    •  「シンギュラリティは2045年に到来する」
  • ヒューゴ・デ・ガリス
    • シンギュラリティは21世紀後半に到来し、人工知能は人間の知能の1兆の1兆倍になると主張。
  • イーロン・マスク
    • シンギュラリティの到来に危機感を持ち、非営利のAI研究組織OpenAIを設立。
  • オレン・エツィオーニ 
    • 「シンギュラリティの終末論的構想は馬鹿げている」
  • ヴァーナー・ヴィンジ
    • シンギュラリティを「機械が人間の役に立つふりをしなくなること」と定義。
  • スティーブン・ホーキング
    •  「AIの完成は人類の終焉を意味するかもしれない」
  • ヨシュア・ベンジオ
    • 観測データの説明要因をとらえることでき、また一見自明ではない共通点をとらえることができるものを「よい表現」とした。ディープラーニングの父。
  • ジョン・サール
    • 強いAI / 弱いAI という表現の提唱者。また「中国語の部屋」の提唱者。

AIブーム

  • 第一次AIブーム
    • 推論と探索」による人工知能が台頭したが、チェスや迷路などのトイプロブレムに限られた。
  • 第二次AIブーム
    • エキスパートシステム」として専門家の知識を人工知能に移植しようとしたが、専門家の知識を定式化することは難しく、複雑な問題が解けるようにはならなかった。ナレッジエンジニアと呼ばれる専門の職業が生まれた。
  • 第三次AIブーム
    • 深層学習(ディープラーニング)」がILSVRC画像コンペティションで高精度を誇り、脚光を浴びた。
  • ILSVRC
    • ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge
    • ImageNetデータセットを用いた画像認識のコンペティション。
    • ILSVRC2012:トロント大学ジェフリー・ヒントンが率いるチームのシステム「SuperVision」が、AlexNet(8層)で優勝、パラメータ数は6千万個ほど。
    • ILSVRC2014:GoogLeNet(22層)がインセプションモジュールを搭載して優勝、オックスフォード大学のVGG16は準優勝。
    • ILSVRC2015:Microsoft社のResNet(152層)が残差学習・スキップコネクションを搭載して優勝。
    • ILSVRC2017:中国科学アカデミーのSENetがSqueeze-and-Excitationモデルを搭載して優勝。
  • ELIZA
    • 1966年に発表された自然言語処理プログラム。簡単なルールベースによる心療法セラピストチャットボットだが、チューリングテストで30%の人間の審査員の判定を誤らせた。
  • PARRY
    • 偏執病的統合失調症患者をシミュレートする目的で作られたチャットボット。ELIZAとも会話し、その記録はRFC439・ICCC1972として残されている。
  • ディープ・ブルー
    • IBM社により開発されたチェスAI。仕組みこそ「力任せの探索」であったが、1966年にチェスの世界チャンピオンを破り、話題になった。
  • Tay
    • Microsoft社が開発したおしゃべりボット。Twwiter上のユーザーから不適切な誘導を受け、不適切な言動を繰り返すようになり、即刻サービスが停止された。
  • ローブナーコンテスト
    • チューリングテストに合格する会話ソフトウェアを目指すコンテスト。1991年から開催されている。

定理・経験則・パラドックス

  • フレーム問題
    • 人間はなにか問題を解決する際、無意識にその問題に関連する範囲を抽出しているが、AIには難しい。第三次AIブームではフレーム問題を打破できる強いAIに期待されている。
  • バーニーおじさんのルール
    • 学習時調整に必要なパラメータ数の10倍のデータが必要である、という経験則。
  • ノーフリーランチ定理
    • あらゆる問題に対して万能なアルゴリズムは存在しない、という定理。
  • みにくいアヒルの子定理
    • 機械学習における定式化によって「普通のアヒル」と「みにくいアヒル」の区別はできない、という定理。仮定や事前知識がない場合には、分類性能が高くなるような“最良”の特徴表現も存在しない。
  • モラベックのパラドックス
    • 機械にとって、高度な推論より1才児レベルの知恵や運動スキルを身につけるほうが遥かに難しい、というパラドックス。
  • シンボルグラウンディング問題
    • 記号接地問題
    • 人間は記号と実世界の意味を結び付けて言葉を理解している一方、AIでは必ずしも結び付いておらず、つまり言葉を理解しているわけではないという主張。人間は「シマウマ」を見たことがなくても、「シマ」と「ウマ」という単語の意味を知っていれば、なんとなくどんなものか連想できるが、機械には難しい。
  • AI効果
    • 人工知能の原理を知ると「それは単純な自動化であって知能とは関係ない」と結論づけてしまう人間の心理。
  • 身体性
    • 知能が成立するためには身体が不可欠であるという考え方。「外界と相互作用できる身体がないと概念は捉えられない」と考えること。

自動運転・ドローン

  • SAE J3016
    • 自動運転技術のレベルの定義。SAE Internationalという米国の団体が定めている。国内においては「官民ITS構想・ロードマップ2020」において自家用車が2025年までにレベル4に到達することを目指している。また、ホンダは2021年3月、自動運転レベル3の機能を搭載した新型LEGENDを発売した。
    • レベル0:運転を人間がすべて行う(運転自動化なし)
    • レベル1:自動化システムが人間を時々支援し、いくつかの運転タスクを実施することができる(運転支援)
    • レベル2:自動化システムが運転タスクを実施することができる一方、人間が運転環境を監視する必要がある(部分運転自動化)
    • レベル3:自動化システムが運転タスクを実施し、人間も必要に応じて制御を取り戻すことができる(条件付き運転自動化
    • レベル4:自動化システムが運転タスクを実施し、運転環境も監視する。ある環境・条件下のみ運行可能(高度運転自動化)
    • レベル5:自動化システムは全ての運転タスクを実施することができる(完全運転自動化)
  • 自動運転車の安全技術ガイドライン
    • 国土交通省は自動運転車に関する初の安全基準を導入し、ドライバーがハンドルから65秒以上手を離すと手動運転に切り替える仕組みを搭載することを義務付けた。
  • 作動状態記録装置
    • 自動運行装置の作動状態の確認に必要な情報を記録する装置。道路運送車両法の改正により設置が義務付けられた。
  • ドローン
    • 国土交通大臣の許可が必要:空港上空と周辺、地面より150m以上の高度の空域、人口集中地区の上空
    • 承認が必要:目視外飛行、夜間飛行、イベント会場上空での飛行、人や物との距離が30m未満での近距離飛行、危険物の輸送、物の投下

法令・政府方針・倫理

  • 改正著作権法(30条の4)
    • 「機械学習や深層学習のモデル作成のためであれば、著作物である生データ(文章、写真、静止画、動画など)を著作権者の承諾なく自由に記録や翻案ができる」ことが明記されている。また学習用データを第三者(例えば共同研究者)と共有したり、一般に販売したり、ネット上で公開したりすることも、一定の条件下では適法である。
  • 不正競争防止法
    • 改正により、営業秘密や著作物に該当しない「特定提供データ」も保護されることとなった。
  • 人間中心のAI社会原則
    • 2018年に内閣府によって制定された、AIをより良い形で社会実装し共有するための基本原則。社会(特に国などの立法・行政機関)が留意すべき原則をまとめたもの。基本理念は次の3つ。
    • 人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
    • 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)
    • 持続性ある社会(Sustainability)
  • AI戦略2019
    • 「人間中心のAI社会原則」において、Society5.0の実現を達成するために今後のAI利活用の環境整備・方策を示した戦略。
  • 米国人工知能研究開発戦略計画
    • National Artificial Intelligence R&D Strategic Plan
    • AIにおけるリーダーシップの維持に関する大統領令をトランプ大統領が発出し、これを支援する目的で、大統領府の国家科学技術会議(NSTC)の人工知能特別委員会(Select Committee on Artificial Intelligence)がアップデートを発表した。
  • 信頼性を備えたAIのための倫理ガイドライン
    • Ethics guidelines for trustworthy AI
    • 欧州委員会のAI高等専門家グループが2019年に発表。
  • EAD
    • Ethically Aligned Design、倫理的に調和された設計
    • IEEEが作成した報告書。AIに対する恐怖や過度な期待を払拭すること、倫理的に調和や配慮された技術をつくることによってイノベーションを促進すること等のメッセージが示された。
  • パートナーシップオンAI
    • Partnership on AI、PAI
    • Amazon・Google・Facebook・IBM・Microsoftの5社が共同で設立。AI技術のベストプラクティスを研究・形成し、AIとその社会的影響について議論するためのプラットフォームになることを目的としている。AppleやIntel、Sony、Salesforce、また電子フロンティア財団、国連児童基金などの非営利組織も加わった。
  • AAAI
    • Association for the Advancement of Artificial Intelligence、アメリカ人工知能学会
    • AI技術を主題とする国際的な非営利の学術団体で、「思考と知性の根底にある機構を科学的に解明し、機械でそれを実現する」ことを使命とする。
  • ELSI
    • Ethical、Legal、Social、Implications / Issues、エルシー
    • 倫理的・法的・社会的な課題。AI活用や医療研究の際に考慮すべき課題。
  • エシカル・ウォッシュ
    • Ethical Wash
    • 倫理的消費を標榜しながら実際には倫理的消費に関連しない商品・サービスを行うこと。AI倫理委員会を組織する場合にも、実効性のない名ばかりの委員会とならないよう注意する必要がある。
  • XAI
    • Explainable AI、説明可能なAI
    • アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)による投資プログラムが発表されており、推論の根拠の可視化や文章化による説明が試みられている。
  • LAWS
    • Lethal Autonomous Weapon Systems、自立型致死性兵器
    • 現段階では存在しないが専門家間で議論が続いている。2017年2月、The Future of Life InstituteにおけるアシロマAI原則にて「AIによる軍拡競争は避けるべきである」と明示された。
  • KAIST
    • Korea Advanced Institute of Science and Technology
    • 韓国の国立大学。韓国の防衛関連企業ハンファシステムと共同で「国防人工知能融合研究センター」を設立し、人工知能を組み込んだ国防に関する研究を推進すると発表。これに対し世界中ののAI・ロボット研究者たちは“KAISTのような権威ある機関がAI兵器を開発し軍備競争を加速することは残念」と公開書簡で表明した。

情報・言語処理

  • セマンティックウェブ
    • 情報リソースに意味を付与することで、コンピュータで高度な意味処理を実現しようとすること。
  • 意味ネットワーク
    • is-a:Car → Vehicle、Ship → Vehicle
    • part-of:Tire → Car、Tire → Bike
    • instance-of:My-Car → Car
    • function:Drive → Car
  • LOD
    • Linked Open Data、ウェブ上でコンピュータ処理に適したデータを公開・共有するための手法。WikipediaをLOD化したDBpediaも作られている。

プラットフォーム・フレームワーク・ラッパー・データセット

  • arXiv
    • AI技術に関する研究論文の公開・閲覧ができるWebサイト。
  • OpenAI Gym
    • 自分で製作した強化学習用アルゴリズムを試験できるAIシミュレーション・プラットフォーム。
  • DistBelief
    • 2012年に提案された分散並列技術で深層分散学習のフレームワーク名。Googleが開発し、Tensorflowの前身となった。
  • Keras
    • ケラス
    • ディープラーニングに特化したTensorflowのラッパー。
  • TPU
    • Tensor Processing Unit
    • 機械学習に特化したGoogleの自社開発プロセッサ。数万個のALU(Arithmetic Logic Units、演算装置)を備えている。
  • GPGPU
    • General-Purpose computing on Graphics Processing Units
    • GPUの演算資源をグラフィック処理以外の汎用計算に応用する技術。
  • PyCharm
    • Pythonに特化した統合開発環境。JetBrainsが提供。
  • CIFAR
    • 一般物体認識のベンチマーク用データセット。60,000枚(100種類×600枚)の画像データが含まれる。
  • MNIST
    • 数字認識のベンチマーク用データセット。手書き数字画像60,000枚とテスト画像10,000枚に「0〜9」に正解ラベルが与えられたもの。28ピクセル×28ピクセルのモノクロ画像として表現されている。
  • Fashion-MNIST
    • 衣類品画像のベンチマーク用データセット。学習用の画像60,000枚とテスト画像10,000枚に、10種類のラベルが与えられたもの。

その他

  • AlphaFold
    • Alphabet傘下のDeepMindが開発したアルゴリズム。タンパク質構造予測のコンペティションCritical Assessment of protein Structure Prediction 13(CASP13)において史上最高精度で優勝した。
  • レコメンデーションシステム
    • 顧客の購買行動の促進のため、機械学習によってその顧客が好みそうな商品を推定し推薦するシステム。
    • 協調ベースフィルタリング:ユーザーの購買履歴をもとにおすすめを提示
    • 内容ベースフィルタリング:コンテンツベースフィルタリング、アイテムの特徴をもとにおすすめを提示
  • センチメント分析
    • 感情分析
    • ブログやSNS上のテキストに込められた感情を分析すること。
  • SoTA
    • State of the Art
    • もっとも高精度なアルゴリズム。
  • STRIPS
    • 自動計画(プラニング、ロボットの行動計画)に関する人工知能システム。前提条件・行動・結果の3つの組み合わせで記述する。1971年にRichard FikesとNils Nilssonが開発した。
  • DARQ
    • アクセンチュアが「Accenture Technology Vision 2019」内で示したテクノロジートレンド。分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology:DLT)、人工知能(Artificial Intelligence:AI)、拡張現実(Extended Reality:XR)、および量子コンピューティング(Quantum Computing)を表す。

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