緊急事態宣言、延長へ

予想通りというべきか予定通りというべきか、緊急事態宣言が延長された。19時から総理の会見があり配信を見ようと思っていたが、(恵方巻きの代わりに) スシローで寿司を食ってたのと、帰宅してからも相席食堂を見てしまっていたので、結局会見は見れずじまいだ。

先日の日記で、緊急事態宣言が延長されるか終了となるか、取りうるオプションは次の通りだと整理していた。

  1. 2月7日時点で減少傾向に転じているので、緊急事態宣言の効果が認められ、緊急事態宣言を解除する
  2. 2月7日時点で減少傾向に転じているので、緊急事態宣言の効果が認められ、緊急事態宣言が継続される
  3. 2月7日時点で減少傾向に転じていないので、緊急事態宣言の効果が認められず、緊急事態宣言が継続される
  4. 2月7日時点で減少傾向に転じていないので、緊急事態宣言の効果が認められず、緊急事態宣言が解除される
    (=緊急事態宣言はコロナ対策としては意味がなかったと判断する)

今回の延長は 2. にあたる。

発表資料によると、


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<感染状況について>
・ 全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、1月11日には、直近一週間では10万人あたり約36人に達したが、1月中旬以降減少傾向となっており、直近の1週間では10万人あたり約19人となっている。(発症日ベースでは、1月上旬以降減少傾向)

・ 入院者数は減少がみられるが、重症者数、死亡者数は引き続き過去最多の水準。新規感染者数の減少が入院者数、重症者数の減少につながるには一定の期間が見込まれ、対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当疲弊し、業務への影響が懸念される。多数の感染者数の発生が続く中、新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が続いており、救急対応への影響が見られる事例などが生じているほか、病床の逼迫により入院・療養等調整中となる事例も依然として多数見られている。また、高齢者施設でのクラスター発生事例も増加。

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ということで、減少傾向は確認されていて(=緊急事態宣言の効果が認められていて)、ただ入院者数・重症者数を減少させるにはもうしばらく時間がかかりそうですよ、ということのようだ。確かに新規感染者の減少から入院者数・重症者数の減少に転じるまでにはタイムラグがありそうだ。

国民総出で手洗いうがいやマスクを心がければ、新規感染者数を10万人あたり約36人のオーダーに抑えることができたというこの結果は、素直に誇らしいものだと思う。国民の皆で喜び称え合っても良いのではないか。医療現場の逼迫も、もう少しで乗り越えられそうな楽観的予測をしている。ワクチンが普及したり、特別に心配される人のみ入院してもらうようにして残りは自宅療養にしたり、コロナウイルスについて分かってきていることも多いのだ。オリンピックもやると言っているのだし、ポストコロナはもう間もなくだ。


駅ビルでマスクがやたらと安く売られていた。50枚で398円とかだった。こんなに安くても買う人がおらず在庫が余っているのだと思うと、日本も難局を乗り越えることができたなあと感じた。しかしその横で簡易PCR検査キットなるものが3980円で売られており、また次の難局がやってきていると感じた。

新規感染者数が10万人で20人程度となった今、PCR検査の感度(感染者に検査を行って陽性であると判定される確率)を70%、特異度(非感染者に検査を行って陰性であると判定される確率)は99%であるとする。100万人を対象にPCR検査を実施したとすると、簡単な計算により、陽性と判断された人は100万人中1万138人だ。このうち、実際に感染している人はたった140人である。



これが、医療機関の逼迫の真の原因なのではないか。つまり、非感染者・無症状者だけど陽性と判定されちゃったから入院してるとか隔離されてるとかっていう人が、結構な数、世にいるのである。ましてや駅ビルの通路のワゴン販売でPCR検査キットが配られ始めちゃったら、本当、医療従事者の人たちもたまったもんじゃないんじゃないか。テレビではコメンテーターや政治家が「もっとPCR検査を!」と声高に叫んでいるが、きちんと条件付き確率を理解した上で発言するようにしてほしいものである。


参考:http://www.hc.u-tokyo.ac.jp/covid-19/tests/


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