データ分析講座

今日は社内研修の一環で「データ分析講座」を受講した。若手が対象の研修で、内容は「ビジネスにおいてデータ分析をするモチベーションは何か、そしてその際に必要となる簡単な統計用語とその意味を知っておこう」といった感じだった。

“データ分析の入門講座”という位置づけのため、マーケティングのようなビジネスサイドにおけるデータ分析を具体例としながら、半分座学、半分エクセルでの演習という構成となっており、僕にとっては既知の内容がほとんどだったが、それなりに高度な講義だったのではないかと思う。大学の学部生が受講する「統計学入門」のシラバスの半分くらいはカバーされていたのではないか。p値やR2など、機械学習ではお馴染みのワードもざっくり紹介されていたので、個人的には簡単すぎず難しすぎずちょうど良い難易度だったと感じた。


それにしても、こういう研修を企画する人事部側のアホっぽさは何とかならないものか。まず、送られてきたTeams会議の会議名が「データ分析講座(チームス)」である。かっこの中に「チームス」っていちいち書いておく必要はあるだろうか。しかもどうせ書くならサービス名の“Teams”を使うべきだし、カタカナで書きたいなら“チーム”だ。こういうところにアホっぽさが出てしまっていて、残念だ。

また研修の最初に、事務局から挨拶として「今日の研修は知識を身につけるだけではなく、皆さん自身の業務に適用するとどういうことができるか、アクションプランを考えてみましょう」と述べられていた。個人的な意見だが、全社員がデータ分析を実務でゴリゴリ実践する必要はない、と思う。業務で思い立った時に、エクセルとかRとかPythonとか、さっと統計分析できればそれで十分だ。要するにデータ分析の一要素だけできるようになっておけば良い。ビジネスセンスのない社員が「仮説→データ分析→検証→アクション→仮説→・・・」のPDCAを回そうとしたって失敗に終わるケースがほとんどで、そういうのは社内のデジタル統括部門が権限と責任を持って実行していければ良いのだと思う。

そういう意味では今回の研修は、「p値はこれくらいなので帰無仮説は棄却できます」とか「R2はこれくらいなので予測精度が比較的向上しました」とか、前提知識を全社員に広げていくところにあったのだと思う(企画した人事部が何を目的としていたかは別だが)。実際、僕が入社したての頃、グループ内のミーティングで「この変数の自由度はどうなってるんだっけ?」とか聞かれて面食らったことがあった。“自由度”の概念がきちんと理解され共通言語となっている組織が、ある意味真のデータドリブンな組織だろう。だって、データを使える基盤が整備されていて、データ分析ツールが提供されていて、経営層から現場の社員まで同じダッシュボードを眺めている姿を目指したとしても、そのダッシュボードをみるほとんどの人たちが表示されている内容を理解できていないのでは、意味がないではないか。


だから「データ分析を皆さん自身の業務にどう適用できるか、アクションプランを考えてみましょう」と言われたときには「では今回の研修を企画した人事部の皆さんは、データ分析をどのように実業務に取り入れているのですか?」と質問してやろうかと思った。少なくとも僕の会社で一番データ活用が進んでいないのは、人事部を筆頭としたバックオフィス部門だからだ。


そんなことを考えていると、終日の研修はあっという間だった。明日からも反骨精神で、会社のために頑張っていきたい。


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