DX人材とは

社内の経営会議でDX人材育成に関する議論がなされているんだとか。

資料を読んでみたが、資料内では「中核DX人材」と「高度DX人材」が定義されており、「中核DX人材」はいわゆるデータサイエンティストのようにデータ分析が得意で、組織内でもどんどんデータ分析・データ活用を推進していける立場であるという。対して「高度DX人材」は、ちょっとしたアプリのプロトならすぐに開発できて、また例えばベンダーから納品されたシステムやツールをがんがん改修できるイメージらしく、旧来の“エンジニア”に近いイメージなのかもしれない。

中核DX人材は積極的に社内でも育成を進めていき、高度DX人材はガンガン外部から採用していく計画だという。それってつまり、社内にいるだけでは高度DX人材になれないってことだ。

そもそも「高度DX人材」という表現もおかしい。データ分析のスキルとアプリ開発のスキルは全く別物であり、決してデータ分析の延長上にアプリ開発エンジニアがいるわけではない。それなのに、中核とか高度といった単語を使ってしまうと、いかにも目指すべきDX人材の最たる姿が「高度DX人材」であるという風に誤解してしまうではないか。


中核DX人材の育成方法にも興味がある。自分はまだまだ育成される側だと思っているので、「いやはや、会社は僕のことをどう育ててくれるのかしらん」という生意気な興味の持ち方であって、決して「当社にはDX人材が足りない!DXを進めるためにはもっと社内教育が必要だ!」という前向きな興味ではない。


そもそも、会社でDXを達成するのに、どこまでDX人材が必要なんだろうか。DX人材の定義にも依存してしまうかと思うが、基本的にはDXはトップダウンで、強い経営層のコミットメントが無いと達成できないものだ。すなわち、真っ先に教育されるべきなのは経営層側の方なのだ。

そこを勘違いして、「なんとか底上げ教育でDXの実現を目指そう」なんて考えていてはいけない。強く明確なビジョンがまずあるべきだ。それに応えるためのDX人材も、後から、例えば各部門のDX担当者とか実行リーダーみたいな人たちに、必要なだけ教育することで賄えるんじゃないだろうか。実際にデータ分析や機械学習モデル開発を行うのは、DataRobotやSPSSや、その他SaaSサービス、ツールで十分だ(むしろこれらのサービス・ツールであっても、ほぼ確実に使いこなせないだろう)。


そんなことを考えた。


ところで、自分もDX教育の対象者となってしまい、Pythonを勉強することになった。DX推進のための裾野を広げるためにまずはPythonから、と説明を受けたが、やや DX人材 = Python と短絡的に考えていそうな気もする。真剣にPythonに向き合ったことはないが、学生時代はJavaを一生懸命触っていたので、Pythonもググりながらであればなんとかコーディングできるだろう。

本心では、課題抽出、データの前処理、実業務への適用とモデル精度の継続監視、別業務への横展開、等々、もっとデータ分析における前後のフローを学習していきたい気もするが、『Pythonで〇〇を達成しました』とかって職務経歴書に書けると転職に有利な気がするので、積極的に会社のリソース(お金)を使って、これを機にPython学習に励んでいきたい所存である。

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