尾原和啓さんの『プロセスエコノミー』、読了した。
Prime Reedingで無料で読めることに気づき、話題作だし読んでおいて損はないだろう、という打算的な考え方で読んでみることにしたのだが、これが大変に損だった。あっという的に時間の無駄だった。
まず、本の2割がまるまる引用で占められている。「プロセスエコノミー」単語自体はけんすうさんという方が書かれたnoteが初出なのだが、本のなかでまるまるこのnoteの記事が引用されていたのは流石に笑った。それ以外にも、著者の独自の意見が書かれている部分はほぼ全く無く、誇張抜きでほとんどが引用なのだ。
そして引用の仕方が不親切である。そもそも引用元を示していない、著者がどこかで聞いた話や、どこかの記事で読んだ話が、たらたら冗長に記されている。
流石に笑ったのは次の部分だ。
最初から明確に「Why」を設定してもらったほうが、人は動きやすい。 そのことを説明した約18分の動画があります。サイモン・シネックという作家によるTEDのトークイベントです。 「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」でググると動画が見つかります。 ちなみにTEDは「Technology」「Entertainment」「Design」の頭文字です。
人様から1,600円もお金を取っておいて、「面白い動画があるんで自分でググって観ておいてな」という態度は流石に舐め腐っているだろう。その後に続くTEDがなんの頭文字の略かなんていう説明全く不要だし。
いや、でもこういう本を読むことは、反面教師として大変勉強になる。人に分かりやすく自分の意見を示すために、どういう文章を書いてはいけないか、どう根拠を示すべきか、改めて考えさせられるきっかけとなった。
こんな本なら自分も書ける。
きっと尾原さんは「そんなに思うなら書けば良いじゃない」と鼻で笑っていることだろう。そういう態度がムカつくのだ。
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リーディングリスト(2021年)_20211123
読み終わった本
- テッド・チャン『息吹』
- 楠木建『ストーリーとしての競争戦略』
- ジョアン・マグレッタ『マイケル・ポーターの競争戦略〔エッセンシャル版〕』
- デイビッド・ローワン『DISRUPTORS 反逆の戦略者』
- カール・B・フレイ『テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス』
- 加藤雅則『両利きの組織をつくる』
- 山口雄大『この1冊ですべてわかる 需要予測の基本』
- 石川和幸『この1冊ですべてわかる 在庫マネジメントの基本』
- 梅谷俊治『しっかり学ぶ数理最適化 モデルからアルゴリズムまで』
- Judea Pearl『入門 統計的因果推論』
- 岩崎学『統計的因果推論 (統計解析スタンダード)』
- 安井翔太『効果検証入門』
- 榎本幹郎『音楽が未来を連れてくる』
- 森川潤『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』
- 藤田聡『眠れなくなるほど面白い たんぱく質の話』
- 別所栄吾『「お前の言うことはわけがわからん!」と言わせないロジカルな話し方超入門』
- 石野雄一『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』
- 尾原和啓『プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる』
- 『徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集』
- 『応用情報技術者合格教本』
読んでいる本・読もうとしている本
- マーク・ジェフリー『データ・ドリブン・マーケティング』
- ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』
- マルク・レビンソン『The BOX コンテナ物語』
- リード・ヘイスティングス『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』
- 斎藤康毅『ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装』
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