WORLD'S ON FIRE


高校時代、The Prodigyというバンドが大好きだった。とにかくエネルギッシュでパワフルでカリスマ性にあふれていて、特に音楽がやたらと格好良い。プロディジーを聴きながら数学の問題なんかをがむしゃらに解いたものだ。また、土日のリフレッシュにも最適で、プロディジーをイヤホンで大音量で聴きながら頭を振りたくっていたものだ。

特に、WORLD'S ON FIREというライブアルバムは圧巻だ。彼らが主催したフェス「Warrior’s Dance Festival」のヘッドライナーショーを音源化・映像化したもので、それこそ擦り切れるくらい聴いたし擦り切れるくらい観た。こんなにも盛り上がるライブは人類史上いまだかつてないのではないかと思う。俺のライブは盛り上がるぜとか思っちゃってるバンドマンはぜひDVDを観て勉強してほしい。MCとはこうあるべき、シャウトってこんなに叫ぶのか、ギターもドラムも(サポートメンバーのくせに)やりすぎじゃないかなどと感じてほしい。

昨年 2020リマスター版が発表され、全曲Youtubeから視聴することができるのを知ったので、懐かしさ半分、改めて聴いてみたのだった。


WORLD'S ON FIREはリアムとキースとマキシムの、3人の仲が良かった時期に行われたライブだと思うので、3人の個性がそれぞれ主張しつつ、しかしてんでバラバラな方向を向いているわけではないので、結果 "The Prodigy" というとんでもない化け物を生み出していたことが分かる。

『Invaders Must Die』という曲の歌詞に注目してほしい。歌詞というか、

We are The Prodigy. Invaders must die.

と歌っているだけなのだが、これはきっと「俺達の邪魔をするやつは許さない」的な意味なのだと思う。


一度だけThe Prodigyのライブを生で観ることができた。2015年のSonic Maniaだ。夢にまでみたプロディジーの生ライブだったので、前から3列目くらいまで乗り込んで、周りの人と揉みくちゃになりながら踊り狂ったのをよく覚えている。とにかく汗をかいた。曲が終わるごとに「ああ、また1曲終わってしまった、ライブ終わってほしくない」と思っていた。前の方にいすぎて低音しか聞こえず、いまいち曲自体は楽しむことができなかった、など、良い思い出だ。

またライブに参戦して興奮を味わいたい、早く来日しろ、などとふとあるごとに思っていたのだが。まさかキース・フリントが自死してしまったなんて。

もう二度と彼ら3人でのライブを観ることができないなんて。もう二度と彼ら3人の新曲を聴くことができないなんて。改めて、悲劇だ。


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